藤木総研嘘情報部
 
従来の時事情報部を改称しました。時事ニュースにこだわらない、嘘ネタのページです。

 
 
法律講座

民法482条(代物弁済)
債務者が債権者の承諾を以て其負担したる給付に代へて他の給付を為したるときは其給付は弁済と同一の効力を有す

民法482条は、債務者が本来の給付に代えて他の給付をなすことによる債務の消滅を認める。いわゆる代物弁済である。
本来の給付(例えば借金の支払い)が不可能な債務者であっても、他の給付(例えば手持ちの車を引き渡すなど)をなすことが可能な場合はある。 一方で、このような代わりの給付でもよいと債権者が承諾している場合にまで債務者に本来の給付を強制するのは、両当事者にとって不便である。そこで、この給付でも良いと債権者が承諾した場合に、両当事者の便宜を図り、債務者が他の給付をなすことよる債権債務関係の消滅を認めたのである。
このように文面上は両当事者の便宜を図った規定のように思われる代物弁済だが、実際には闇金融業者の強力な取り立て手段として用いられることが多い。このような具合である。

 小規模な工場を経営する鈴木さんは、運転資金の調達のため軽い気持ちで金融業者から100万円を借り、3年間で返済することにした。
 しかし、3回目の支払日に、ついうっかり振り込みを忘れてしまった。
 翌日、あわてて金融業者の口座に振り込もうとする鈴木さんの工場の前に、きついパンチパーマをあてた大柄の男が5,6人ほど、トラックで乗り付ける。
 「おう、鈴木やな。」鈴木さんは、戸惑う。
「どなたでしょうか?」
「わしら、東大寺金融のもんや。」
「あぁ、東大寺さんでっか。振り込み遅れてすんまへんなぁ、
今払いに行く所ですわ。」
「あぁ?今からやと?とぼけた事ぬかすな!
振り込みの期限は昨日や。もう期限は切れとるんじゃワレ!」
「鈴木はん、これは立派な契約違反でっせ。それと、契約書のココ、
よぉ〜く読んでもらえまへんか。」
「え、ここて?『振込期日に振込無き場合、乙は期限の利益を失う』
の事でっか?」
「なんや、ちゃんと読めとるやないけ。ほな、これがどういうことか、
わかっとるんやろな!」
「ど、どういう事だっか?」
「要するにやな、振込が遅れたら、3年分の返済金額を全部払え、
いうことや。」
「そ、そんな殺生な!今すぐ300万なんて、用意できるわけ おまへんやろ。」
「そんな殺生なですんだら、裁判所も警察もいらんのじゃ!ボケェ!
ちゃんと今日中に300万払わんかい!」
「まぁ落ち着かんかい。
なぁ、鈴木はん、ワシらも鬼やない。
ワシらにかて、ホトケの心はあんねん。
ないモンは払えへん。こらしゃあない。
もし他に払えるモンがあるんなら、それで借金帳消しに
したっても、ええんやで。」
「さすがはホトケのテツ親分。どや、鈴木ぃ、親分も
こない言うてくれてんねん。お前も誠意を見せたらどうや?」
「せやけど……」
「あ、ここにエエ機械があるやん。」
「そ、それはついこないだ買うた500万円の最新型の機械。
それがないと、商売になりまへん。どうかそれだけは堪忍し……」
「おぅ、お前、そんなこと言える立場なんか?」
「それに、買値が500万やいうても、今は中古や。
これで勘弁してもらえるだけでもありがたいと思わなあかんのと
ちゃうんかい。」
「……」
「文句がないいうことは、契約成立やな。おぅ、これを運び出せ。」

 呆然とする鈴木さんを残して、チリチリパンチパーマの大柄なホトケ達が機械を持ち去っていく。

いわゆる大仏弁済である。

 
 
オヤジの怒り
 

 臭いものにはふたをしろ、なんて言葉がある。けど、今の時代、都合の悪いものを隠せばいいってものじゃあないんだ。

 たとえば企業のクレーム隠しだ。ちゃんと対処すればすむものを、無理にマスコミに言わないでと口止めしたり、影でこそこそと解決しようとしたりするからややこしくなる。クレーマーに「暴言」を吐いたって言う事件だって、きちんと会社のホームページで反論して、クレーマーの対処としては間違っていない、と公に説明すれば、あそこまでT社の評判は落ちなかったはずだ。

 それに、やらしい映像だ。局部だけかくしてればオッケーなんて、ちゃんちゃらおかしい。隠せば何でも良いんなら、たとえば童謡「さっちゃん」はどうだ?

 ○○○んはね ○○○っていうんだ 本当はね
 だけどちっちゃいから ○○○のこと ○○○○て 呼ぶんだよ
 おかしいね ○○○ん

どうだ?本当の歌詞より、ずっといやらしい感じがするだろう?

 もちろん、オレは、隠し事なんか大っ嫌いだ。だから、オレは何も隠さない。ま、この真冬にコートを一枚羽織っただけってのは、ちょっと寒いけどな。

 
 
小麦色に関する考察
 

小麦色という色がある。程よく日焼けした人の肌の表現に良く用いられる、褐色に近い色である。しかし、この小麦色ははたして本当にそう呼ぶにふさわしい色なのか。色として間違っているのではないだろうか。なぜなら、小麦粉は白い粉であり、決して小麦色ではないからである。

あるいは、水にだって色々な色のものがあるのだから、小麦が小麦色でなくてもいい、と考えることも出来るかもしれない。しかし、残念ながらこれは間違いである。水のさまざまな色は、その中に溶け込む不純物によって醸し出されるからだ。実際、純水をためた原子炉やチェレンコフ光観察用の水槽は、えもいわれぬ美しい水色に光り輝いているという。

また、小麦色の「小麦」は、小麦粉の小麦ではなく、例えば小麦色の肌をした少女の名前だという考えもありうる。しかし、この平安末期に京都の長岡京で物集女をしていたという無名の少女が由来だとするのはあまりに強引である。それに、わざわざそんな厄介な説明をしなくても、畑の小麦はちゃんと小麦色をしている。やはり、小麦色は本来、色として正しいのである。

なお、小麦粉が白いのは、小麦色の小麦に何かを加えて色を変え、さらに小麦の一部分を取り去ってしまったからだと考えられる。具体的には漂白剤の添加と、小麦色をした外皮などの除去である。

今出回っている白い小麦粉を使う時には、思い出してほしい。粉を白くするために捨てられていった大切な「何か」のことを。この「何か」は「ふすま」と呼ばれ、日本家屋には欠かせないものとなっているという。

 
 
略語に関する考察
 

 最近、あいさつを略すことが流行しているらしい。スマップの香取慎吾氏が流行させた「おはー」は依然人気だし「あけおめことよろ」と書かれた年賀状(メール)も多かったと聞く。
 もちろん、適切な略語の使用が日常生活上で非常に便利であることは言うまでもない。たかがコーヒーをいちいち「UCCスーパーアロマモカブレンド上品なコクとやわらかな味わい今なら一番乗りプレゼントキャンペーン実施中」などと呼ばなければならないのはやっかいである。

 しかし一方で、略語も扱いを誤れば大変に危険である。
 米国コロンビア州のSteve Campbell氏は、電気あんま椅子を家具屋に注文するとき「あんま」を略してしまったため、命を落とした。
 神戸でも、著名暴力団事務所にお年玉をねだりに来た近所の子供が「あけおめたま」と大声で叫んだため、それを「あけねーか、おめー!命(たま)取りに来たぞ」の意味だと勘違いした組員によって射殺された。(この事件では組員の行為は暴力団員としての正当業務とされ不起訴となった。)

 また、略語をけっして快く思わない方も多い。東京都知事の石原慎太郎氏が「慎吾ママのおはロック」を推薦する見返りとして、略された「よう」の部分を歌舞伎の市川団十郎の声で吹き込むことを要求したのは記憶に新しい。(余談だが「おはロック」のCDには「よっ成田屋」という掛け声まで収録されているそうだ。)

 結局、略語の使用はTPOに合わせて常識の範囲内で、ということになろう。
 ただ最近、駅の案内で「E電」の語を使うなど、明らかに常識を無視した略語の使用が多い。「E電は死語」のような一般常識を知らない日本人が増えているのだ。これを食い止めるためには、国民全員に対して一般常識を周知徹底することが必要である。

 そのための手段として、例えば芦屋雁之助氏扮する裸の大将が「い、E電は、し、死語なんだな」と話し掛けるテレビCMやポスターを製作するべきだという話もある。しかし、これは費用対効果比の点から見て疑問だと言わざるを得ない。ただ、どうやって芦屋氏を使わず、E電が死語であると知らせることができるか、あるいは果たしてそんなことが可能なのか?模索は続いている。

 
【乳製品中毒禍広がる】
 

  乳製品による食中毒が頻発している関西で、またも新たな食中毒事故が発覚した。

  今回の事故を起こしたのは、大阪堺市にあるスーパー「バッタ屋」。
  先月末に同店販売の雪印牛乳を飲んだ24人が発病、うち20人が入院した。

  被害者は「牛乳を飲んだとたんに目の前を閃光が走り、気を失った。」「飲んでから3日間、腹がゴロゴロ鳴りつづけた。」などと話しており、ほとんどの患者はかなりの重症だ。

 大阪府警では、食中毒の症状から、バッタ屋の経営者南田洋容疑者が、雪印ではなく雷印の乳製品を販売していたと見ており、南田容疑者を厳しく追及している。

  
【またも乳製品禍】
 

  先日も食中毒が明らかになった「バッタ屋」で、またしても乳製品が原因と見られる中毒患者が発生していたことが明らかになった。

  被害にあったのは、堺市内に在住の山田キクさん(86歳)。

  バッタ屋で購入した雪印牛乳を飲んで以来、夫の滋右衛門さんを見るなり塩を投げつけ、家の大黒柱に向かって突進する等の異常行動が頻発するようになった。

  当初は痴呆症状の進行であろうと考えていた滋右衛門さんだが、バッタ屋の食中毒事件をニュースで知って警察に問い合わせ、これを受けて堺市保健所が調査したところ、バッタ屋の雪印製品による中毒症状であることが発覚した。

  大阪府警では「今度はSMOW BRANDかいな。」と、さすがに呆れ顔である。


 
【雪印事件その後】  

 北海道空見郡標留辺(しべるべ)町。 ここでは、住民の9割以上が雪印乳業関連の職に就いている。

 橋本隆二さん(35)もその一人。 事件の前は、工場へ牛乳を搬入する仕事をしていた。 しかし、事件の直後、突然会社から解雇を言い渡されたという。
「驚きました。そして、今後妻と子供二人と、どうやって暮らしていったらよいのか……途方に暮れました。」
 橋本さんの奥さんも雪印でパートをしていたという。
「ええ、妻も雪印に搾乳をしに行っていたんです。 でも、3ヶ月前にやめになって……そのせいで妻は乳房炎になってしまいました。」
 橋本さんは、奥さんの治療費と生活費のため、内地へ出稼ぎに行くことを考えている、と話してくれた。 しかし、農作業が機械化された今、農村への出稼ぎ先はほとんどない。
それに、都会の土木作業現場も……貴方は工事現場で働く牛を見たことがあるだろうか?

 標留辺町では、住民の9割以上を占める牛の圧倒的賛成多数により、政府に救済を求める緊急請願文を採択した。 しかし、仮に政府が一時的な対策を講じても、雪印の信頼回復なくして抜本的な解決はあり得ない。
 今後の雪印乳業の誠意ある行動により、同社が一日も早く信頼を回復することを、標留辺町民とともに期待したい。  

 
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