小中学生の学力低下と失業率増加に関する方策

はじめに

現在、小中学校における児童の学力低下が深刻な問題となっている。
原因として、少子化による競争の減少や完全週休二日制による弊害も指摘されているが、なによりも社会環境の変化により、 大勢の児童を一人の教師が管理することが困難になり、学級崩壊が進んだことが一番の原因であろう。

一方で日本の完全失業率は5パーセントを超える状況が続いており、失業者対策も早急に解決を要する課題となっている。

問題解決の理想と現実

この2つの課題に対する理想的な解決方法を提示することは比較的容易だ。

まず、学級崩壊の原因となっている、一学級あたりの児童の多さに関しては、少人数制学級を導入することにより、 解決が図れるものと思われる。なお、学校設備については、かつてのベビー・ブーム時に建設された教室が多くの学校で 余っている状況であり、新規に建設する必要性は少ない。

また、雇用対策についても、政府が雇用助成金を大幅に増額すれば、助成金目当てに多くの企業が 失業者を雇用でき、安易だが確実な解決を図ることが可能だ。

しかしながら、政府は数百兆円の長期債務を抱え、地方自治体も景気後退に伴う慢性的財政難の状況にある。 このため、先に述べたような「金のかかる」解決方法は現実的ではない。

また、仮に少人数制学級が実現したとしても、その効果が現れ、小中学生の学力が向上するまでには、ある程度の時間が必要である。

解決の糸口を探る

学力低下と失業率悪化、さらには、それを根本的に解決するにはあまりに困難な政府の財政状況。

この3つの難題は、いずれも早急な解決の望まれる課題である。だが、安易に解決方法が見つかりそうにはない。

そこで、まずは解決の糸口を探って見たい。

まず、学力に関して言えば、企業が優秀な人材をいかにして確保するかが参考になると考えられる。

企業が優秀な人材を確保する方法は2つあるという。

一つ目は、社内教育により、社員を優秀な人材に育て上げることだ。

会社の「身内意識・仲間意識」が強かった頃は、これが最良の方法であった。育った人材は、年功序列型賃金体系に守られ、定年までその会社で勤務して、次の人材を育てることが期待された。また、実際そうする社員も多かった。

しかしながら、年功序列型の賃金体系が破綻をきたし、会社は生計のためのものだと割り切る人間の多い現在、もはやこの方法は通用しないものになりつつある。

そこで、第2の方法が現在注目されている。

すなわち、他で育った優秀な人材を「引き抜く」ことだ。
この方法だと、従業員には総じて高賃金を得られるというメリットがあり、会社は教育コストを大幅に削減することができるというメリットがある。

今までの学校教育は、前者の方法に偏りすぎてはいなかったであろうか?

また、失業問題についても、「就職」だけが完全失業率を減らす方策ではないことを指摘しておかなければならない。

実際、就職後にスキルアップ、転職のために一度職を離れて専門学校に通うものも多いし、社会人が大学院に進学して研究者の道に進むこともあるという。

そう、「学生」は「失業者」ではない。学問をめざす失業者に学校への門戸を広く開けることは、失業者のスキル向上に役立つとともに、失業率の低下にも役立つのだ。

藤木総研からの提言

以上の考察から、学力低下と失業率悪化に対する対策としては、それぞれ「優秀な生徒を『引き抜く』こと」「失業者に対して就学の門戸を大きく開放すること」が効果的だと結論付けられよう。

そこで、藤木総研では次のような解決策を提案したい。

1. まず、失業者の中からある程度の学力を有するものを選抜する。

2. 選抜した失業者を、その学力に応じ、小学校または中学校に編入させる。

これによる利点は以下のとおりだ。

1. 小中学校にはある程度高度な、おそらく従来の小中学生よりも優秀な学力をもった生徒が
  多く編入されるから、平均学力は飛躍的に向上することが期待される。

2. 教師よりも年齢が高く、人生経験の豊富な児童には、教師を補佐し、あるいは
  教師にとって代わる役割を果たすことが期待される。

3. 2.の結果、実質的な教師一人あたりの生徒数は飛躍的に減少し、
  実質的な少人数制学級の実現が可能である。

4. 失業者は「学生」となることができ、完全失業率は低下する。

5. 教師の増員も失業対策費も不要なため、政府の財政負担はほとんど増加しない。

もちろん、この提言も、誰が先生だかわからない、授業参観のとき小学校に編入した親は「親側」「児童側」のどちらに行けばよいのか、など、非常に細かい難点を抱えていることは事実だ。

しかし、そのような欠点も、数多くのメリットに比べれば、さほど問題ではなかろう。

政府がこの提言を受け入れ、実現することを、藤木総研では切に希望する。

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