審問官:それでは、アイザック・ニュートン氏の訴えにつき、審判します。 |
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ニュートン:ええ、間違いありません。私が3年も前にした発見を、 |
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ライプニッツ:冗談じゃない!だれがお前なんかの発見を盗んだりす |
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被申立人は静粛に! |
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いや、これがだまっていられましょうか。大体、ニュートンはいつも |
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貴様、法廷で私を侮辱するつもりか? |
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申立人の言うとおりです。被申立人は静粛に。さもないと法廷侮辱の 罪を負ってもらうことになりますよ。 |
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失礼。ちょっと感情的になっていました。しかし、申立人の訴えには |
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いや、発見の当時はそれほど重要性を感じなかったから発表しなかっ |
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たしか、私が宇宙物理の論文を書き上げたときだったか。なにか割り |
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そら見たことか。私も、この天体の運行についての論文を書き上げ、 |
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なるほど、あくまでも自分が発見したことにしたい訳だな。では聞く |
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ああ、当然あるとも。私がこの発見をしたことを、メイドのエルザに |
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証人エルザ、申立人の言うことは真実か? |
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エルザ:ええ、確かにご主人様は3年前、私に「つまらん事を発見し |
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なんだ、メイドの証言か。しかも、やけに口調が曖昧じゃないか。 |
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被申立人は静粛…… |
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私、もう我慢できません。……ライプニッツさん、その通りです。 |
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ええい、お前は恩をあだで返す気か!このライプニッツめが私を呪い |
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誰がお前なんかを呪い殺そうとするもんか!審問官殿、ご覧なさい。 |
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貴様、また私を侮辱するのか!おお、私には見える!貴様の背中に生 |
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……なるほど、わかりました。申立人、他に何か申し述べることは? | |
なに?貴様も本官を侮辱するのか!この発見が私のものではないなど
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被申立人、申し訳ありませんが、この発見はあなたとニュートンが、 それぞれ独立にしたものとして、両方を発見者として学会史にのこす ということで、我慢いただけないでしょうか。 |
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(壊れたニュートンを尻目に)やむを得ません。それで結構です。
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この、ニュートンとライプニッツの論争は、数学界における残念な歴史として
論争「2の発見」
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